空間を作っていると、人がどこを通りどこに滞留するかを計算しなければいけません。
多くの人が通る道を狭くすると、使いにくいのは当然ですからね。
この人の流れのことを動線と言うのですが、これは空間ではなくオンライン上にも存在すると思います。
先日PayPay銀行の手続きをしていたのですが、どうにもこうにも流れが非常に悪いんですね。
というのも、PayPay銀行では入出金の際に
①ワンタイムパスワードが必要
②①のためにはトークンをからワンタイムパスワードを取得する必要がある
③②のためにはトークンからワンタイムパスワードを取得する必要がある
??
②と③でぐるぐるしてしまわないか?
といったように、入出金の動線が非常にややこしいんですよね。
その他にも、まだ馴染みのない「トークン」というアプリ名にしているところも微妙です。
ワンタイムパスワード取得の流れの説明も難しい言葉が多く、スムーズな流れとは思えませんでした。
ワンタイムパスワード取得用にアプリが必要なら「PayPayワンタイムパスワード」というアプリ名にすれば良いし、短くするにしても「トークン」ではなくていいはずです。
三井住友銀行のワンタイムパスワードはもっとスムーズです。
難しい言葉を敢えて使わないようにしているのが分かります。
難しくてかっこいい言葉を使いたくなる気持ちは分かりますが、一般のお客さんを相手にするなら簡単過ぎるくらいでちょうどだと思います。
僕もお客さんに建築について話す時は、なるべく専門用語を使わないようにしています。
お客さんが専門用語を覚えてきたなと感じたらその言葉は使いますが、基本は砕いた言葉にします。
例えば、照明制御という言葉があるのですが、この言葉のまま伝えてもカッコつけてるだけです。
お客さんに説明する時は「照明の明るさ設定」とお話しします。
そうする方が、お客さんの理解までの動線がスムーズだからです。
仕事に慣れると当たり前に一般用語だと感じる言葉があると思いますが、改めて見直しが必要だと感じた出来事でした。
それでは、良い動線設計ライフを!